永住権を失わずにアメリカ国外に居住する方法とは?
アメリカ国外に居住することで、グリーンカードを失うリスクがあることをご存知ですか?
“How long have you been away?”(「どのくらい米国を離れていましたか?」) これは、
グリーンカード保持者が入国審査で受けるもっとも一般的な質問で、アメリカに居住をしていない人は、この質問の返答から、アメリカ国外に居住している理由や期間等についてさらに詳しく質問されることがあります。結果的にアメリカの永住権を放棄していると判断された場合には、永住権の放棄に同意して訪問者として入国許可(ESTA等)を受けるか、移民局裁判所のヒアリングで永住権維持を申し立てるかどちらかの選択を与えられます。 ヒアリングで申し立てが却下された場合には、国外退去命令が下される危険性があり、その場合、その後の米国入国が非常に困難になります。
この様な状況を避けるベストの方策は、アメリカ国外の居住は一時的な理由によるもので、目的を果たせばアメリカへ戻る予定であること、アメリカとの明らかな繋がりがあること、アメリカに住居を維持していることなどを説明することです。 入国審査官の詳しい質問を回避するためには、リエントリーパーミットの取得をぜひお勧めいたします。リエントリーパーミットはグリーンカードの効力を1年から2年に伸ばすだけでなく、アメリカの永住権を放棄していないことを示す「明らかな証拠」となります。 必ず回避できる保証はありませんが、リエントリーパーミットを提示するだけで、長期の国外滞在について詳しく質問されずに済む可能性が高いと思われます。 私が過去に取り扱ったケースではリエントリーパーミット所持によって全て無事に入国審査を通過しています。 但し、万が一に備えて、リエントリーパーミットを所持している場合でも、一時的にアメリカ国外に居住している理由、アメリカに戻ってくる予定の時期等について説明出来る様に準備しておくことが大切です。
入国審査に役立つその他の証拠書類としては、連邦税申告書(Form 1040)のコピー、アメリカ国内の住居を証明する書類(リースや権利書のコピー)、アメリカの銀行口座の証明が考えられます。 もしも、アメリカ国外の拠点に一時的に派遣されている場合には、アメリカの雇用主からその旨を記載した手紙を取り寄せて携帯してください。 尚、上記は非常に有益な証拠書類ですが、アメリカ入国を円滑にするための最も重要な書類はやはりリエントリーパーミットです。
グリーンカード神話 その一
「1年に一度アメリカへ入国すればグリーンカードを維持出来る」
1年以上アメリカへ戻らないとグリーンカードが失効することからこの様に考えられていますが、1年に一度だけアメリカへ戻る方法は、入国審査で永住権を放棄していると判断されるリスクを伴うものです。
グリーンカード神話 その二
「アメリカ国外で得た収入は米国政府に申告する必要はない。」「アメリカ国内の収入は無いので、アメリカのタックスリターンを提出する必要はない。」
グリーンカード保持者の収入は、国内外を問わず、全ての収入がアメリカの所得税の対象となります。 申告に関し、会計事務所にご相談下さい。